- フリーランス人口は近年増加の傾向にある
- 高収入のフリーランスの仕事は専門職、中でもIT分野に多い
- 人気沸騰のYouTuberは高収入可能であるが、収益化までに時間がかかる
ランサーズ社の「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」1によると、2021年のフリーランス人口は約1577万人、経済規模は約23.8兆円であることがわかりました。2015年と比較すると、フリーランス人口が約640万人、経済規模も約9.2兆円増加しています。本稿ではフリーランスを検討している方のために、高給フリーランサーの職種10選を紹介します。
フリーランスとは
会社や組織に属することなく専門性を生かして自由に契約を結び業務を遂行することを意味します。主に依頼主と契約を締結し契約内容に則って仕事をするのが一般的です。業種は多岐にわたりますが、デザイナーやプログラマー・システムエンジニアやコンサル系等の専門職が目立ちます。
フリーランスの平均年収
フリーランス協会の「フリーランス白書2020」2によると、フリーランス全体の年収は「200~400万未満」が22.9%と最も多く、「200万未満」が22.5%、「400~600万未満」が19.9%と続きます。しかしこれにはパートタイム・副業のフリーランサーも含まれており、月の就業時間が140時間以上のフルタイムフリーランスの年収は、「400万~600万円」が22.7%と最多、「200~400万未満」が22.0%という結果です。
以下、高給フリーランサーの職種10選をご紹介します。
1. 弁護士・司法書士
開業弁護士の場合、年収は売上げ(収入)から必要経費を引いた所得となります。個人によって大幅に差がありますが、だいたい1000〜15003万円程度4が平均的な値となるでしょう。司法書士はフリーランスの約3割が年収800万円以上5という統計があります。
2. コンサルタント
求人サイトやエージェントの情報によると、フリーコンサルタントの月収の目安は80〜150万円です。年収換算では1,2006万円ほどが平均となります。コンサルタントファームに長く在籍した経験豊富なフリーコンサルタントの場合には年収2,000万円以上も夢ではありません。
3. エンジニア・プログラマー
エンジニアは、情報処理や情報通信など、いわゆる情報技術(IT)に関する技術者の総称です。プログラマーはIT技術のスキルのなかでもプログラミング言語に関する知識やスキルを持つ専門家を指します。実際にプログラムを構築していく作業を担うので、「コーダー」と呼ばれることもあります。ここでは、エンジニア・プログラマーを細分化し、その職種ごとの平均年収について見ていきます。
a. システムエンジニア(SE)
SEはシステム開発の中で、クライアントへのヒアリングや要件定義、システムの設計、テストなどの作業を行います。SE案件の単価相場は、35〜100万円ほどです。フリーランスSEの年収は700万円〜1,0007万円ほどで平均年収は720万円8 と言われます。
b. プログラマー
フリーランスプログラマーの求人案件の月単価は40~609万円ほどといわれていますが、実績やスキルにより単価はピンキリです。平均年収は、およそ600万円10程度となっています。ただし、現在はIT業界の人手不足によりプログラマーの需要が非常に高く、単価相場は上昇傾向にあります。
c. データベースエンジニア
フリーランスのデータベースエンジニアの平均年収は780万円です。案件単価の相場は、週5日(8時間/日)の常駐案件を基準にすると約65万円/月です。フリーランスの場合は実務経験がかなり重要視され、5年以上のエンジニア歴があるフリーランスであれば、年収1,00011万円を超えるケースも珍しくありません。
d. ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとはコンピュータネットワークの構築、運用、保守などに従事するIT技術者のことです。フリーランスのネットワークエンジニアの平均年収は、ITプロパートナーズの案件を参考にすると、500〜80012万円程度です。 専門性の高いネットワークエンジニアの収入相場は月80万円~100万円と言われます。
e. セキュリティエンジニア
フリーランスのセキュリティエンジニアの年収は、本人のスキルや案件によって大きな幅が生じます。ITプロパートナーズで紹介している案件をもとに年収を算出すると、フリーランスセキュリティエンジニアの月収は70〜100万円、年収に換算すると840〜120013万円程度が想定されます。
4. マーケター
Webマーケターの業務には、広告運用、WebコンテンツのSEO、SNS運用データ分析等さまざまな分野があります。フリーランスによるWebマーケティング案件の単価は、仕事内容やスキル、経費や税率によって異なりますが、50万円〜70万円くらいが相場になっています。それを基に換算すると年収は600〜84014万円になります。
5. Youtuber
「TuverTown」15のデータを参考によると、日本のトップユーチューバー100人の平均年収は約3,200万円でした。一般的にYouTuberの平均年収は800〜900万円前後といわれています。しかし実際には、広告収入を得るためには、チャンネル登録者数100016人以上、12ヶ月間での総再生時間が4000時間以上という条件を満たさねばならず、収益化までに時間がかかるため、ほとんどの人は挫折してしまいます。