Skip to main content

医師不足を実感している都道府県はこれだ!

1 分の読み物

著者 Kiki Abe

ブランド総合研究所が2019年にインターネットのアンケートで行った「病院・医療施設の不足」で悩んでいると答えた人の割合を都道府県別でランキングした結果、トップ3県が岩手県、青森県、秋田県と東北地方であることが分かりました。医師不足に悩むの都道府県における現状と取り組みをまとめました。¹

Iryna Rahalskaya / Shutterstock

医師偏在指標について

医師偏在指標とは厚生労働省が定める医師の偏在の状況を測る指標で人口10万人あたりの医師数の他、医療ニーズや将来の人口・人口構成の変化、患者の流出入、僻地の地理的条件、医師の性別・年齢分布、医師偏在の単位で算出されます。

1位岩手県 7.3%

アンケートの結果、医師の不足で悩んでいる都道府県第一位は岩手県でした。また、医師偏在指標も最下位でした。特に産科、小児科医の不足は深刻で、対策として奨学金などの医師の養成事業、女性医師やシニア医師の多様な働き方支援、勤務環境改善支援などに取り組んでいます。²

2位青森県 7.2%

医師偏在指標も47都道府県中45位でアンケートの結果は現実を表しています。県の政策として弘前大学医学部と協力し、これまで東京など都市部の市中病院に流れていた若手医師を県内に定着させるプログラムに取り組んでいます。

3位秋田県 7.0%

医師偏在指標で47都道府県中41位の秋田県は3つの重点推進方策を進めています。まずは大学と地域の病院を循環する若手医師のキャリア形成システムの構築、県外からの研修医の確保、そして女性医師への更なる支援です。³

4位福島県 6.4%

医師偏在指標44位の福島県は東日本大震災や福島原発事故で医師が減り、現在は増加傾向にあるものの、県内にある19の病院で7病院が定員に達していません。臨床研修、専門医研修の環境を整え県外の医学生を取り込むことや、福島医大医学部の定員増を国に求める対策を推進しています。

5位宮崎県 5.6%

医師偏在指標が32位の宮崎県は総人口が減少しているのにも関わらず、65歳以上の高齢者がここ10年で1.4倍に増加しており、それと並行して患者数が増えています。医師の平均年齢も年々上がっており、若い医師の確保が必至となっています。⁴

6位茨城県 5.2%

医師偏在指標42位の茨城県は県内の医師不足と地域間の偏りが課題で、特に小児科が全国最下位です。医師数増加のため、県内高校生の医学部進学と県内でのキャリアアップを支援するとともに、医師の多い筑波エリアから他地域に医師を派遣しています。⁵

6位福井県 5.2%

福井県の医師偏在指標は25位で県内の4医療圏のうち福井・坂井医療圏以外は医師少数区域になっています。福井県での取り組みはドクターバンクを設立して県外から医師を募ったり、県職員として医師を採用し、地域の医療機関に派遣しています。⁶

6位長崎県 5.2%

医師偏在指標は9位で長崎県全体の医師数は全国平均を上回ります。ところが、長崎県は日本一離島が多く、現在も人口の1割の約14万人が医師の不足している離島や半島エリアに住んでいます。離島、僻地における診療所などの医師の確保が最重要課題です。

9位鳥取県 5.0%

医師偏在指標は11位です。これは鳥取県が日本一人口の少ない県であることが関係しています。人口減少、少子高齢化に加え地域の過疎化が進んでおり、地域での医師不足は深刻です。大学病院と地域診療所をローテーションで勤務できるシステムや、子育てで離職した医師の復帰サポートを行っています。⁷

9位山口県 5.0%

山口県の医師偏在指標は33位。病院勤務医の過酷な勤務状況を改善し、育児中の女性医師に対する勤務環境の整備や充実、大学病院と連携した地域医療の充実を図っています。⁸

11位島根県 4.6%

医師偏在指標21位の島根県では医師を「呼ぶ」「助ける」「育てる」医師確保に取り組んでいます。県のスタッフが出張面談に出かけて行ったり、町や病院に招待して視察できる無料のツアーを提供しています。